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内定先は年収アップでも固定残業代込み。承諾前の比較と質問

内定先は年収アップでも固定残業代込み。承諾前の比較と質問

公開情報と編集部の整理に基づく記事です。広告リンクは掲載していません。

内定先の提示年収は今より高い。でも、月給欄に固定残業代が入っていて、本当に条件がよくなるのか分からない。承諾前には、月給の総額、固定残業代を除く金額、変動する収入、実際の勤務時間を分けて比較してください。

基本給が下がるから必ず損とも、提示年収が上がるから得とも決められません。毎月の収入がどう変わるかと、その働き方を続けられるかを、同じ表で確認していきます。

固定残業の時間数と、実際に働く時間を分けて読む

厚生労働省の「スタートアップ労働条件」は、固定残業代を、一定時間分までの時間外労働・休日労働・深夜業に対する割増賃金として定額で支払う賃金と説明しています。求人では、その計算方法となる時間数と金額、固定残業代を除いた基本給、対象時間を超えた分を追加支給することの明示が必要とされています。

同Q&Aは、法定の方法で計算した割増賃金の額が固定残業代を上回るときは、差額を支払う必要があるとも説明しています。固定の金額で、どんな勤務でも精算が終わる仕組みとは捉えないでください。

ここでの時間数は固定残業代の計算に用いるものです。配属先で実際に何時間残業するかの回答にはならないため、勤務実態は別の質問として確かめましょう。

出典:厚生労働省「スタートアップ労働条件」賃金Q&A・固定残業代
https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/chingin/q11.html

以下は収入を比較するための編集部の整理です。個別の契約や金額が適法かどうかを判定するものではありません。

今の給与明細と内定条件を、同じ項目へそろえる

現在の年収には残業代を含め、内定先は基本給だけで比べる、といった違いがあると判断がずれます。給与明細や賞与明細、内定先が提示した書面を見ながら、内訳をそろえます。不明な欄は推測で埋めず「要確認」としてください。

比べる項目 確認する内容
基本給と固定の手当 毎月の額、支給条件、試用期間中の違い
固定残業代 月額、対象の時間数、対象となる労働の種類
追加の残業代 対象を超えた分の記録・計算・支給方法
賞与や歩合 保証される額か、実績例か。初年度の扱い
勤務時間と通勤 始終業、休憩、配属先の残業、出勤日、移動時間

求人の年収例が、経験者や高い業績を出した人の例なら、自分の提示条件へそのまま置き換えられません。賞与も「前年度実績」と「自分に保証された支給額」を区別します。基本給を賞与計算に使うかどうかも、勤務先によって確認が必要です。

計算例:総額が増えても、基本給は下がることがある

次は比較方法を示す仮の例です。実在の求人ではなく、賞与とその他の手当は含めません。固定残業代の金額の妥当性を計算した例でもありません。

項目 現職の仮の条件 内定先の仮の条件
基本給 月28万円 月26万円
固定残業代 なし 月6万円・25時間分
月の固定支給額 28万円 32万円
固定支給額の12か月分 336万円 384万円

この例では、基本給の12か月分は現職336万円、内定先312万円で、24万円下がります。一方、固定残業代を含む月の固定支給額は4万円増え、12か月分では48万円増えます。基本給だけを見て「年収が下がる」とは言えません。

さらに、現職で仮に毎月2万円の残業代を受け取っていた場合、その12か月分24万円を加えると年360万円です。この過去の受取額と内定先の固定支給額384万円との差は24万円になります。現職の残業代は、今後も同じだけ受け取れる保証のある収入ではありません。

こうして「固定で支給される額どうし」と「現在の受取実績との比較」を分けます。内定先の25時間を実際の残業時間として計算したり、額面の増加分をそのまま手取りの増加と考えたりしないことも大切です。

承諾前の質問は、金額と働く時間を別々に聞く

「固定残業はきついですか」とまとめるより、自分が判断できない項目を指定すると、回答を照合しやすくなります。次は確認の文例です。

「提示条件を確認しています。月給のうち固定残業代を除く金額、固定残業代の金額と対象時間、超過分の支給方法を教えてください。あわせて、配属予定部署の通常月と繁忙期の残業状況、勤怠の記録方法も伺えますでしょうか」

部署の平均を聞けた場合も、どの職種・期間・人数の話かを確認します。自分の配属先と違う集計なら、その違いをメモします。「平均は少ない」という説明だけで、忙しい月や特定の担当者への偏りまで分かったとは扱わないようにしましょう。

書面と口頭の説明が違うなら、その箇所を示して確認します。まだ質問の回答が来ていないのに返答期限が近い場合は、必要な確認事項と、いつ回答できそうかを連絡し、返答日の相談をします。期限の延長が必ず認められるわけではありません。

最後は、増える収入と受け入れられる勤務を照らす

固定残業代があることだけで応募先を除外するより、内訳が明確か、追加支給の説明があるか、自分の生活と勤務実態が合うかを確認してください。反対に、年収の見出しだけを見て不明点を残したまま承諾するのも避けたいところです。

比較表の最後に「毎月必要な収入」「帰宅したい時刻」「不明なままでは決められない条件」を一行ずつ足します。給与だけでなく勤務地の条件も気になる場合は、求人票の転勤の可能性と変更の範囲を確かめる質問も合わせて整理できます。

公開資料の確認日:2026年10月22日。実際の支給条件・勤務条件は、応募先の提示書面と担当者への確認で照合してください。

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